比留川行政書士事務所

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 「内容証明」ってなんなんだ?言葉は聞いた事があるけれど、どんなものかわからない。って人は結構いるのではないでしょうか。内容証明を活用したり、受け取ったりするのは、おそらく大半の人は一生に数回あるかないかといったところではないでしょうか。内容証明に縁のある人というのは業務で活用する人がほとんどです。ですから一般の人には馴染みのないものかもしれません。しかし、」この内容証明とはとても便利な書類で、紛争の予防や解決に多いに役だってくれます。このサイトでは、内容証明を活用したいが使い方がいまいち良く解らないという方のためにわかりやすく、内容証明の基礎知識・テクニック、そしていろんな事例のサンプルを紹介しています。

○「内容証明」とは 

 内容証明は正式には「内容証明郵便」といいます。もちろん普通の手紙などの郵便と違い、内容証明郵便は(1)どんな内容の手紙を(2)いつ相手に出したかということを、郵便局で証明してくれます。つまり、どういう事かというと、クーリングオフに関してを例にとってみましょう。

 例)Aさんは、訪問販売のセールスマンのセールス・トークにのせられ、30万円もする家庭用浄水器を購入する契約をしてしまいました。しかし、後々考えてみると、やはり必要ないという事に気付き、解約をすることにしました。契約時に受け取った契約書にも8日間以内であればクーリングオフできると書いてあり、Aさんはその業者に契約を解除したい旨の手紙を送りました。しかし、数日して家庭用浄水器の代金の請求書が送られてきました。Aさんは業者に、「解約したいと手紙を送った。」と主張しましたが、業者側は「そんな手紙は受け取っていない。もうクーリングオフ期間は過ぎているのだから、代金は払ってもらいます」と主張し水掛け論となってしまいました。

このようなトラブルは、契約を解除したいという意思表示を手紙で送ってしまったことから発生してしまいました。通常の郵便では、相手方に受け取っていないと言われてしまえば証明する事ができません。しかし、これが内容証明郵便で送っていた場合はどうでしょう。内容証明は手紙の内容、いつ誰に送ったのかを郵便局が証明してくれます。そうすれば相手方も受け取ってないと主張する事はできなくなり、上記の場合も契約は解除できたはずです。

○内容証明の書き方

 内容証明の性質はわかってもらえたと思いますが、内容証明には書き方・に決まりがあります。普通に便箋に書いたのでは内容証明とは認められず、一定のルールに則って書かなければなりません。では、どのようなルールがあるのでしょうか。

・用紙の種類) 内容証明書用紙という、一行20文字、一枚26行の赤いマス目が印刷されている用紙が市販されていますが、用紙に関して特にこれといった制限はされていません。便箋に書いても問題ないですし、原稿用紙でもいいですし、メモ帳でもOKです。大きさに関しても特に制限はありません。

・文字数、文字) 内容証明は普通の郵便と違い、文字数と使っても良い文字が決められています。文字数は一行に20文字以内、一枚に26行以内に収めなければなりません。枚数に関しては制限はありませんが、2枚以上になる場合には、ホッチキスや糊で綴じ、そのつなぎ目に差出人のはんこを押さなければなりません。次に文字に関しての制限ですが、かな(ひらがな、カタカナ)、漢字及び数字です。英語は固有名詞(氏名、会社名、地名、商品名など)にのみ使う事ができます。かっこ、句読点、一般的な記号も使用することもできます。句読点も記号も1個1字として計算されます。なお、かっこつきの数字でも文中の序列を示す場合は、「(1)」としても1字とされます。

・同文のものを3通作る) 内容証明郵便は同文のものを3通作らなければなりません。別々に手書きである必要はなく、コピーでも構わないですし、パソコンで作ったのであれば3通プリントアウトすればいいですし、市販の内容証明書用紙にカーボン紙を挿んで作成することもできます。3通のうち、1通が相手方に送付され、1通が郵便局で保管され、1通が差出人の控えになります。この控えは後々の証拠となるので大切に保管しておく必要があります。

・差出人欄と受取人欄) 通常の手紙でも手紙の最後に差出人の名前と、相手方の名前を書くのが常識ですが、内容証明郵便はもっと厳格になります。内容証明郵便では差出人の住所氏名、相手方の住所氏名を書く事が義務づけられています。なお、法律上は必要ありませんが、差出人の名前の下に捺印をしておくと間違いなく本人の意思で作成したという事を示すことになります。内容証明はいずれも重要な通知となるものなので、このような対処をしておいた方が良いでしょう。

・封筒について) 封筒について、内容証明郵便専用の封筒があるわけではなく普通の封筒で構いません。しかし、通常の郵便であれば手紙を封筒に入れ封をして出しますが、内容証明は封をするのは内容証明郵便手続き終了後にします。ですから、作成した文書3通と差出人と受取人の住所氏名が書かれた封筒を持って郵便局で内容証明郵便の手続きをします。この封筒の差出人と受取人の氏名住所は文書のものと同一でなければなりません。

・差出人が2人以上いる時) 内容証明は2人以上の連記で出す事もできます。例えば、あるアパートで家賃の不払いが発生したとします。アパートは兄弟2人の共同の財産です。この場合、各々で内容証明を出す事もできますが連記で出せれば1回で足ります。そのときは、差出人欄に両名の氏名住所を記載し捺印すれば連記での内容証明も可能となります。しかし、訂正がある場合等は両名の訂正印が必要になります。

・受取人が2人以上いる時) 内容証明は同じ内容のものなら、複数の人に送付する場合でも1回で済みます。例えば、ある人が土地を貸しており地代の不払いが発生したとします。ところが、借地人が死亡し、借地権をその息子2人が相続しました。このような場合、内容証明は2人の息子それぞれに送付しなければなりません。もちろん、それぞれに送付する事も可能です。しかし、内容が同じもので受取人が違うだけなら1回で出せた方が簡単です。同じ内容の内容証明を送るには2通りの方法に分かれます。まず、1つ目は、2人以上の受取人にあてた内容証明で、手紙の内容、日付、差出人の記載、受取人の記載が全く同じもので完全同文内容証明郵便といいます。この場合、受取人は2人の息子の住所氏名が連記することになります。完全同文内容証明郵便を出すには、通常で必要な通数に増えた受取人の人数をプラスします。ですから、この場合ですと4通必要になります。そしてもう1つは、手紙の内容、日付、差出人の住所氏名は同じですが、受取人は連記せず、受取人の記載は1人ずつ別々に書く場合です。受取人の住所氏名だけが異なるので不完全同文内容証明郵便といいます。この場合も必要な通数は、通常で必要な通数に増えた受取人の人数をプラスします。ですが、受取人はそれぞれの住所氏名、郵便局保管分と本人控えに関しては受取人全員の住所氏名が記載されていなければなりません。

・資料、写真は同封できない) 内容証明郵便では手紙文以外の同封は認められません。資料や写真といったものは、たとえ証拠になるものであっても同封できません。

○内容証明の出し方

 内容証明は手紙文を封筒に入れ、ポストに投函したのでは駄目です。郵便局に持っていき、内容証明郵便手続きをしなくてはなりません。手続きといっても簡単なもので、郵便局に行って「これを内容証明郵便にしてください」といえば手続きをしてくれます。

・郵便局に持って行くもの) 内容証明郵便にする手紙文(通常であれば3通、受取人が複数いる場合はその人数分をプラス)、封筒1通(不完全同文内容証明の場合は受取人数分)、差出人の印鑑、郵便料金、です。差出人の印鑑は手紙文に必ずしも必要ではありませんが、間違い等の場合に訂正印が必要になるので、持っていっておいた方が無難です。

・内容証明郵便の手続き) 郵便局で内容証明郵便を依頼すると、まず郵便局員がルールに則って書かれたものであるかを確認します。その確認で不備がなければ、郵便局員が「この郵便物は平成○○年○○月○○日第○○○号書留内容証明郵便として差し出した事を証明します ○○郵便局長」と末尾余白に記載し、通信日付印を押してくれます。そして、そのうち1通を郵便局が保管し、1通を差出人に控えとして差出人に渡します。そして残り1通を郵便局員立ち会いのもと、差出人が封筒に入れ封をし、それを郵便局員に渡します。これが受取人に送付されます。その際に、郵便局員から「書留郵便物受領書」が渡されます。この書留郵便物受領書は、その書留郵便物がなんらかの事情で受取人に配達されなかった場合に生じる損害賠償を郵政公社に請求するためや、郵便局に保管してある内容証明郵便を閲覧するため、あるいは内容証明郵便を紛失した場合に再度発行してもらうのに必要になるので大切に保管しておく必要があります。

・内容証明を取り扱っている郵便局) 内容証明郵便は全ての郵便局が取り扱っているわけではありません。内容証明郵便を取り扱っているのは集配郵便局と指定された無集配郵便局です。どこの郵便局で取り扱っているかわからない場合は最寄りの郵便局に訪ねてみるがいいでしょう。

・配達証明にすることを忘れずに) 内容証明を出す特は、「配達証明付きでお願いします」と言うべきです。配達証明とは、受取人にいつ届いたかを証明してくれる制度です。配達証明付きにしてもらうと、郵便局から差出人に受取人にいつ配達したかの証明書が送られてきます。配達証明は、内容証明郵便を出す時に頼むのが普通ですが、1年以内であれば出した後でも配達証明をもらえます。

○内容証明の効果

 内容証明が証拠を残す事のできる手紙である事は説明しましたが、内容証明にはまだ別の効果があります。それは心理的効果です。例えば、次の例をとってみましょう。

例)Bさんは賃貸のアパートに住んでいます。ある日、郵便が届けられました。配達員にはんこを求められ、受け取り、封を切るとそれは内容証明でした。内容証明には家賃の不払いに関する事が書かれており「貴殿は平成○○年○○月からの家賃平成○○年○○月までの家賃が延滞しています。つきましては本書面到達後1週間以内に滞納額全額をお支払い下さい。もし期限内に支払いがない時は、あらためて契約解除の通知をなする事なく貴殿との賃貸契約を解除いたします。」と書かれていました。Bさんには確かに家賃の不払いがあり、家主にも催促をされていましたが払っていませんでした。Bさんは内容証明を送られる事は初めてです。内容証明がどんなものかはあまり知っていませんでしたが、なにやら威圧感のある文書で書かれた内容証明に脅威を覚えました。内容証明の末尾には郵便局長がこの手紙が届いた事を証明していると書かれているし、このままほっておくのはヤバいと感じました。この書面の内容通りに契約を解除されると住むとこもなくなってしまう、このままほっておくとそうなりそうだと思い、全額支払う事にしました。

 この例のように、請求を何度もされているのに払わなかった人も内容証明で請求されると直ぐに払ったというのはよくあります。一般の人はそうそう何度も内容証明を送られる事はありませんから、突然送られて来るとギョッとするものです。なにやら法的な文書が送られてきたと思い慎重に考えます。これが内容証明のもう一つの効果、心理的効果です。なぜ、そのような効果が生まれるのでしょうか?まず、内容証明は普通の手紙と異なり格式ばった形式と用紙で書かれています。そして、書留郵便で配達されるため、いかにも重要な書類である印象を与えます。さらに文章の末尾に郵便局長が配達を証明する旨記載があるので、受け取った方は緊張感を覚えます。きわめつけは、わざわざ内容証明で送るくらいだから、次は法的手段に出て来るだろうと不安感を与えられます。このように、内容証明には心理的効果があるのでうまく活用すれば、かなりの効果を上げる事ができます。

 

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